安定的な皇位継承をめぐる議論が国会で大詰めを迎える中、石破茂前首相の発言が注目を集めている。
現在、与野党では皇族数確保策として、
* 女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案
* 旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案
を中心に議論が進められている。
しかし、多くの国民が関心を寄せている「女性天皇・女系天皇」の問題については議論が先送りされたままだ。
そんな中で石破氏は、国会で進む議論と国民意識との間に大きなズレがあるとの認識を示した。
石破氏が指摘した「国民の総意」とのズレ
石破氏はTBSラジオ番組で、女性天皇や女系天皇を支持する世論が高い現状に触れながら、憲法第1条にある「日本国民の総意」に言及した。
現在の国会議論は皇族数確保の技術論に集中しているが、多くの国民が関心を持っているのは「将来の天皇をどう考えるのか」という本質的な部分だ。
実際、各種世論調査では女性天皇容認の声が多数派となるケースが続いている。
その意味では石破氏の発言は、
「制度論だけでなく国民が何を望んでいるのかを議論すべきだ」
という問題提起だったと言える。
皇室典範改正を急ぐ勢力と慎重姿勢の温度差
現在、自民党内では皇室典範改正を今国会でまとめたいとの動きもある。
特に男系男子による継承維持を重視する保守派は、旧宮家系男子の養子縁組制度創設を強く推進している。
しかし制度設計の細部になると課題も多い。
最近話題になっているのが「養子対象を15歳以上とする案」だ。
この年齢設定については賛成派からも明確な合理性が説明しにくいとの指摘が出ている。
実際に保守派論客の間からも、
* なぜ15歳なのか
* なぜ18歳ではないのか
* 皇位継承問題との関係は何なのか
といった疑問が出ている。
つまり男系男子維持派の内部でも不安材料になっているのである。
「あと3手詰め」と言いながら見送り論が出る矛盾
保守系メディアでは「皇位継承問題はあと3手詰め」といった楽観論も見られる。
しかし同時に、
「15歳要件の説明ができなければ今国会での改正見送りもあり得る」
との見方も示されている。
もし本当に成立目前なのであれば、一つの論点だけで全体が崩れるような状況にはならないはずだ。
そのため、
「実は想定以上に制度設計が難航しているのではないか」
との見方も広がっている。
愛子天皇支持論はなぜ消えないのか
議論の中では、
「女性天皇・女系天皇を主張しているのは一部野党だけ」
という説明がされることもある。
しかし世論調査を見る限り、その説明だけでは実態を説明できない。
多くの国民が女性天皇を容認し、愛子さまの即位に肯定的な考えを持っていることは広く知られている。
もちろん制度上は現在の皇位継承順位とは別問題である。
ただし国民感情としては、
「次の天皇は誰がふさわしいか」
という視点で見ている人が多い。
そのため国会で男系男子養子案ばかりが議論されることに違和感を抱く層も少なくない。
石破氏が指摘した「国民とのズレ」とは、まさにこの部分を意味しているとも考えられる。
高市首相と麻生太郎氏の思惑は一致しているのか
さらに政治的な駆け引きも複雑化している。
高市首相は消費税減税を重要政策として掲げてきた。
一方で党内には慎重論も根強く、財政規律を重視する勢力との綱引きが続いている。
そのため高市政権は、
* 経済政策
* 来年の政治日程
* 党内力学
* 皇室典範改正
を同時に処理しなければならない状況に置かれている。
もし皇室典範改正を強引に進めれば、一部支持層は喜ぶかもしれない。
しかし世論との乖離が拡大すれば政権全体への影響も避けられない。
その意味では、高市首相が保守派の描くシナリオに全面的に乗るとは限らないとの見方も出ている。
今後の焦点は「国民の総意」をどう扱うか
皇室典範改正をめぐる議論は、単なる制度設計の問題ではない。
石破氏が指摘したように、憲法が定める「国民の総意」をどう考えるかという根本的なテーマが存在する。
国会では男系男子養子案を中心に議論が進んでいる。
しかし国民の間では女性天皇・女系天皇を含めた議論を求める声も依然として強い。
そして15歳要件問題など制度設計上の課題も浮上している。
こうした状況を考えると、皇室典範改正が当初の想定通りに進むのか、それとも再び議論が長期化するのか。
今後の国会論戦と世論の動向が大きな焦点になりそうだ。

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