皇室典範改正をめぐる議論が再び大きな注目を集めている。
衆参両院の正副議長らがまとめた「立法府の総意」が高市首相に提出されたが、その内容をめぐり「女性天皇の議論が最初から排除されているのではないか」との批判が広がっている。
特に注目されているのが、
「今上陛下から秋篠宮殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」
という趣旨の文言だ。
これに対しては「安定的な皇位継承を議論するはずなのに、結論ありきではないか」と疑問の声が上がっている。
皇室典範改正の本来の目的は何だったのか
今回の議論は本来、「安定的な皇位継承の確保」が出発点だった。
しかし現在の国会論議では、皇位継承問題そのものよりも「皇族数の確保」が中心テーマとなっている。
旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案や、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案などが検討されているが、女性天皇・女系天皇の議論はほぼ棚上げ状態だ。
皇室研究家の高森明勅氏も、この点について問題提起を続けている。
安定的な皇位継承を考えるのであれば、本来は女性天皇や女系天皇を含めた議論を避けて通れないという指摘だ。
世論は女性天皇支持が多数派
各種世論調査では長年にわたり女性天皇への支持が多数を占めている。
調査によって差はあるものの、女性天皇容認はおおむね6~9割という結果が続いてきた。
そのため、
「国民が望んでいる議論と国会で行われている議論にズレがある」
という指摘も少なくない。
特に天皇皇后両陛下と愛子さまの公務や活動が広く報じられる中で、「愛子さまが将来的に天皇となる可能性を議論すべきではないか」と考える国民も増えている。
天皇陛下の『国民の理解』発言が再注目される理由
最近になってSNSなどで急速に拡散しているのが、天皇陛下がこれまで繰り返し述べてこられた「国民の理解」という言葉だ。
皇位継承制度に関しては、制度だけでなく国民の理解と支持が不可欠であるという考え方は、上皇陛下の時代から重視されてきた。
今回の皇室典範改正論議が進む中で、この「国民の理解」というキーワードが改めて注目されている。
なぜなら、多くの国民が支持している女性天皇論が十分に議論されないまま制度改正が進められようとしているからだ。
愛子さま人気と広がる存在感
5月31日には天皇陛下と愛子さまが東京六大学野球の早慶戦を観戦された。
天皇が東京六大学野球を観戦するのは32年ぶりとされ、大きな話題となった。
球場には約3万人近い観客が集まり、両チームの選手や観客が起立して歓迎した。
こうした光景は、愛子さまへの国民的な関心の高さを改めて示した出来事とも受け止められている。
近年は被災地訪問や慰霊行事への同行などを通じて、愛子さまが皇室の公的活動を経験する機会も増えている。
男系男子維持論にも課題
一方で男系男子維持を重視する勢力は、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案を推進している。
しかしこの案には、
* 皇室典範が養子を禁止してきた歴史がある
* 一般国民となった人を皇族に戻す前例がない
* 皇位継承資格を認めないなら根本解決にならない
などの課題が指摘されている。
さらに、仮に養子制度を導入しても男系男子限定のままでは、長期的な皇位継承の安定化につながらないとの意見もある。
上皇陛下側近経験者からも女系天皇容認論
近年は上皇陛下に仕えた経験を持つ関係者からも、女系天皇を検討すべきとの発言が相次いでいる。
元宮内庁長官の羽毛田信吾氏は講演で、女性皇族が結婚によって皇室を離れ続ければ女系天皇への道そのものが閉ざされると指摘した。
また、渡邉允元侍従長も過去に「男系だけの継承を主張すれば皇室を途絶えさせることになる」との趣旨の発言を行っている。
こうした意見は、皇室を長年支えてきた実務経験者からの警鐘として注目されている。
今後の焦点は「女性天皇議論を避け続けられるか」
今回の取りまとめでは、安定的な皇位継承策については引き続き検討するとされている。
しかし実際には、女性天皇や女系天皇という本質的な問題を先送りしているとの批判も強い。
現在の皇位継承順位を固定化しようとする動きが進めば進むほど、
「本当に国民の理解を得られるのか」
という問題は大きくなるだろう。
愛子さまへの国民的人気、女性天皇支持の世論、そして皇室の将来をめぐる議論。
皇室典範改正は単なる制度改正ではなく、日本社会が皇室の未来をどう考えるのかが問われる重要なテーマとなっている。
今後、国会が女性天皇・女系天皇の議論から目を背け続けることができるのか。その行方に注目が集まっている。

コメント