男系男子に限定された皇位継承をめぐる議論――「悠仁さままでの流れ」を本当に揺るがせにしてはならないのか？
2024年10月、国連の女性差別撤廃委員会は「皇位継承を男系男子に限定する皇室典範の改正」を日本政府に勧告した。これに対し外務省は2025年1月29日、同委員会の事務を担う国連人権高等弁務官事務所（OHCHR）への日本の任意拠出金の使途から、この委員会を除外するという“対抗措置”を発表した。同委員会が取り上げる問題として「皇位につく資格は基本的人権の問題ではなく、女性差別には当たらない」とするのが政府の立場だ。
一方で、国民の間には女性天皇や女系天皇を容認すべきではないかという声が一定数あることも否定できない。愛子さまの即位を望む意見や、将来的に皇位を継承できる男性皇族の数が限られていることなどを踏まえ、「安定的な皇位継承をどのように保障していくのか」をめぐる議論がかねてから指摘されてきた。しかし現状では、公的な場での本格的な検討は進んでおらず、今回の政府の対抗措置はそうした議論にさらに影を落とす結果となっている。
皇位継承をめぐる課題
1. 男系男子による皇位継承の歴史と制度
皇位は「父方の血筋に皇統が連なる男系男子」のみが継承するというのが、現在の皇室典範で定められた規定である。日本では歴史上8人10代の女性天皇が存在したが、いずれも「男系」ではあったものの、一時的な中継ぎ的役割や状況に応じた特例として語られる場合が多い。戦後、皇室の在り方が憲法と結びつく中で、男系男子継承がより厳格に運用されるようになり、皇室典範にも明示的に「皇位は男系の男子がこれを継承する」と盛り込まれた経緯がある。
2. 男性皇族の減少と将来への懸念
現在、皇族の数は減少傾向にあり、将来的に皇位継承資格をもつ男性皇族が極めて少なくなることは周知の事実だ。秋篠宮家の悠仁さまがお生まれになったことで次代以降の継承者が確保されたとの見方があるが、その先の世代をどのように確保していくのかは依然として大きな課題である。男系男子継承を前提にすると、皇族女子が結婚により皇室を離れるたびに皇族数が縮小し、結果として「将来誰が皇位を継承するのか」という不安を拭いきれない状況だ。
3. 女性天皇や女系天皇への支持
世論調査では、一部で「女性天皇なら容認してよい」という意見が高い支持を得ることがある。また、愛子さまが次代天皇に即位することへの期待を示す意見や、「万世一系の伝統を維持するためにも、何らかの形で愛子さまやほかの皇族女子を含めた継承を検討すべきではないか」という声も根強い。歴史上、女性天皇は存在したという事実もあり、「女系天皇」を認めるかどうかは別としても「女性天皇」そのものについては抵抗が少ない層も増えているとみられる。
4. 国連委員会の勧告と政府の対抗措置
国連の女性差別撤廃委員会が「皇室典範の改正」を勧告した背景には、「性による差別を排除する」という世界的な潮流がある。一方、日本政府は「皇位を誰が継ぐかという問題は、国際人権法で扱う性差別や機会平等の問題とは異なる、日本の歴史と伝統・文化に根ざした問題であり、国家の基本にかかわる」と強く反発した。今回の対抗措置は、外交的にも極めて異例とされるが、日本側が「皇位継承は基本的人権ではない」という立場を鮮明にしたことで、今後の議論の場がさらに限定される可能性が指摘される。
本当に「悠仁さままでの流れ」を揺るがせてはいけないのか？
政府・保守層の一部には「悠仁さままでの男系男子による継承を揺るがせにしてはならない」という強い主張がある。これは「万世一系」という歴史的・文化的な理念や、皇位継承問題を“安易な制度変更”で動かしてはならないとする危機感の表れといえる。一方で、こうした強い姿勢が、国民的な議論の広がりを阻んでいる面があるのも事実だ。
継承資格を男系男子に限定してきた「現行制度を維持する」ことだけが前提となると、女性天皇や女系天皇、さらには旧皇族復帰など、多角的な検討が難しくなる。加えて、国連委員会からの指摘を「内政干渉」とみなし、対抗措置を取るほど強く拒絶することで、国際的には「日本が性差別問題に消極的である」とのイメージを与えかねない。
もちろん、伝統と歴史を重んじる王室・皇室制度は世界各国にあり、文化の根幹に関わる問題を国際機関が一律に「差別」と位置付けてよいかという疑問は残る。しかし、日本の国内でも女性天皇や女系天皇を容認する意見が少なくない以上、議論に蓋をしたままでは、皇位継承の未来に対する不安は解消されないままだろう。
では、どう議論を進めるべきか
国民的議論の場を整える
皇室典範の改正は「国の基本に関わる事項」であり、拙速な決定は避けるべきだが、だからこそ多様な意見を拾い上げるプロセスが必要だ。国会を中心に専門家や一般市民が参加できる形で、女性・女系天皇や皇族数の維持などを含めた幅広い議論をオープンに行うべきではないか。
旧皇族の復帰など他の選択肢の検討
女系・女性天皇だけではなく、旧皇族の復帰など複数の方策が取り沙汰されてきた。これらを排除せず、「安定的な皇位継承」を実現するための具体的シミュレーションを公表し、国民に判断材料を提供することが不可欠だ。
国際社会との対話
外国からの勧告や批判に対して、伝統と文化の特性を説明する一方、ただ突っぱねるのではなく、「日本社会内にこうした議論があり、こういう課題がある」という情報発信と対話が重要になる。国際人権の枠組みの中で、どう皇室制度の独自性を理解してもらうかも課題だ。
次代以降を見据えた合意形成
悠仁さままでの流れでは、その先の世代に対する不安はぬぐえない。その将来像を見据えて早期に方向性を示す必要がある。少子化や皇族の減少といった社会状況が変わらない限り、先送りすればするほど議論が難しくなるのは明らかだ。
おわりに
国連の女性差別撤廃委員会による勧告と、これに対する日本政府の対抗措置は、皇位継承問題がいまや国内のみならず国際社会の視野にも入っていることを象徴している。政府が「皇位継承は基本的人権の問題ではない」と強調する一方で、日本国内で女性天皇を容認する声が大きいという現実は厳然としてある。
「万世一系」を維持することは日本の歴史と文化に深く根差した重要な要素であり、男系男子限定の伝統を尊重する意見も理解できる。しかし、現在の皇室を取り巻く環境が大きく変化し、近い将来に継承資格者が極端に少なくなる可能性は避けられない。そうした状況下で、女性天皇や女系天皇、旧皇族復帰を含めた多様な可能性を検討せずに「悠仁さままでの流れを揺るがせない」とだけ主張するのは、結果として国民の不安や疑問に十分応えることができないかもしれない。
皇位継承はまさに「国家の基本」に関わる問題であると同時に、今後数世代先の皇室像をどう描くかという、時間軸の長い制度設計でもある。だからこそ、拙速な改正には慎重になるべきだが、一方で真摯な議論を避け続ければ、結局は将来の大きな混乱や国際的な批判を招く恐れがある。国民の多様な意見を踏まえ、冷静な合意形成を図るためにも、「男系男子以外の可能性」についても議論を深める時期に差し掛かっているのではないだろうか。
皇室研究家の高森明勅さんが『愛子さま 女性天皇への道』の著書から一部を再編集した記事を書いていましたね。まず羽毛田元宮内庁長官の言葉を紹介していましたね。
ちなみに秋篠宮ご夫妻に皇室の繁栄を考えると、3人目を強く希望したいと述べたのは羽毛田長官の前任の湯浅長官ですね。でも今考えたらこれは長官の意見ではないかもしれませんね。
この時は今考えると美智子さまの考えが大きく反映していたのではないですかね。今の吉田皇嗣職大夫や西村宮内庁長官の発言はどう考えても秋篠宮ご夫妻に言わされていますからね。
学習成績概評Aランクとか思いっきり言わされていますからね。そう考えると美智子さまが雅子さまをいじめていたと言われているし外国に行けなかったのも美智子さまの影響が大きそうですよね。
だから愛子さまを産んでも男が生まれるまで外国には行かせないって感じで美智子さまが男を産むように湯浅長官から言わせたのではないですかね。
なかなかそういった発言を湯浅長官が単独で発言できるとも思えないし本当に湯浅長官だけの発言ならその時の天皇の上皇ご夫妻からふざけるなといわれてもおかしくないですからね。
逆に美智子さまが雅子さまの気持ちを考えろと怒らなければいけない場面ですからね。だから美智子さまの意向で秋篠宮家に3人目といわされた可能性は高いですね。
ちなみに湯浅元宮内庁長官は毎日新聞が主催のフォーラムで講演をしたようですね。毎日新聞のネット配信でも3月15日にその内容が掲載されていました。
羽毛田氏は講演の中で「皇室典範改正に向かって具体的な動きを起こすことは待ったなしだ」と強い危機感を強調されたようです。
そのうえで「皇室に女性がいなくなれば、女系に広げる選択肢はそもそもなくなる」と呼びかけたようです。まぁつまり女系も含めて議論が大事だけども少なくともその議論が出来なくならないとうに女性皇族が残れるようにということでしょうね。
皇室に最も近くでお仕えした宮内庁長官経験者が、皇位継承問題の議論が行われているときにこのような踏み込んだ発言をするということは異例ということですね。
羽毛田氏は湯浅長官の後で平成時代に、上皇さま、天皇陛下、秋篠宮さまのお三方によるいわゆる“三者会談”がスタートした時点での長官ということですね。
これは2012春から開始したわけですね。そして長官を退任後も長く天皇陛下のご相談にあたる宮内庁参与を務めていたようです。だから三者会談の内容については当然、承知すべき立場だったということですね。
三者会談の最大のテーマは、皇位継承のあり方に対するお三方の基本的な合意を図ることだったのではということですね。そしてその年の2月に上皇さまが心臓の冠動脈バイパス手術を受けられたわけですね。
それで皇室の安定的な皇位継承についても懸念がより深まっていたわけですね。当時は野田内閣で皇室制度に関する有識者ヒアリングの取り組みも行われていたわけですね。
ただ現状では皇族の問題なのに皇室の方々は皇室典範改正にはタッチすることができないわけですね。そんな中で宮内庁のトップで三者会談も聞いてきた羽毛田氏が女系もうかがわせる発言を講演会でしたわけですね。
それに2005年には小泉首相の時に女系の皇族に拡大することが必要であるとの判断に達したという安定的な皇位継承の報告書が提出されたわけですね。
現在は安定的な皇族数の確保に関する案で女性皇族が結婚後に皇室に残る案や旧宮家の男系男子が皇室復帰や養子案について話し合われていますがあくまでこれは皇族数の確保に関する案ですね。
だから安定的な皇位継承を可能にする現実的、具体的な提案は、ほかには提案されていないわけですね。三者会談で話し合われたとされる安定的な皇位継承については小泉政権でされた女系の案に賛同しているのではないかということですね。
そもそも女性天皇を排除している今の皇位継承ルールを維持していては、皇室そのものが存続できなくなることがわかっているわけですね。
昔は側室があったから男系でも継承できたわけですね。少子化でしかも男子を産めという環境でどう考えても無茶なルールですからね。
男系男子ではいつまで持つかという問題で、だから上皇さまが生前退位されるときに付帯決議として安定的な皇位継承について話し合うように決まったわけですね。
もう女性天皇、女系天皇を可能にする以外に安定的な皇位継承は無理なわけですね。男系支持者も側室を訴えている人達はほとんどいませんからね。
そういう側室という伝統はなくしてもいいと思っているわけですね。でも厳格であるべき皇室と国民の区別をあやふやにして、すでに国民になっているいわゆる旧宮家系子孫の男性を、婚姻という心情的、生命的な結合もなく養子縁組などの法的措置だけで、民間から皇族に迎え入れようと考えているわけですね。
どう考えてもこれは国民出身の天皇を誕生させることに繋がるわけで男系男子の人達からしたら継承されていると言いたいかもしれませんが世界的にみるとそれはもう継承とは言わないですからね。
そもそも国民だし現在の天皇から600年以上も遡らないと血縁が繋がらないですからね。男系の人達はよく道鏡事件の問題を取り上げてあの時に男系が途切れていたかもと語っているわけですね。
宇佐八幡宮より称徳天皇に対して「道鏡が皇位に就くべし」との神託を受けて道鏡が天皇に即位しようとしたけども対立して道鏡には皇位は継がせないとなったわけですね。
まぁこれが小室圭のようなヤバい奴に引っ掛かってという感じで紹介されたわけですね。でも道鏡も皇室の血を引くという説があったようです。
つまり今でいうところの旧宮家の皇族の子孫的な立場ですね。ただ皇室の血筋から分かれていても親の代からすでに国民なわけですね。
だからその子孫はすでに“国民の血筋”になっているわけですね。もうそれは王朝交替と同じことで皇位継承されたとは他国からは少なくとも見られないわけですね。
日本は言い張っていますよということは言ってくれるでしょうが痛い国のように扱われるだけなわけですね。金正恩が18ホールをホールインワンしまくって34打のスコアーで回ったといわれて他国がそうなんですねと言うのと同じレベルなわけですね。
それはもはや男系とは言えないわけですね。それに男系男子限定ルールのままであれば、やがて養子縁組の対象を旧宮家系子孫だけに限定することも限界にぶつかるわけですね。
そもそもいても養子のなり手が現時点でもなりたいと明確に手を挙げている人がいないし竹田恒泰さんもそんな人はいるわけないでしょと言ってますからね。
それ以前にそもそも天皇陛下にすでにお子さまがいるのに「女性だから」除外して、民間人の子孫でも「男性だから」天皇にするというプランは、皇室の尊厳を重んじる立場とは考え方が全然違いますからね。
それに憲法でも国民平等の理念に反して、国民の中から特定の家柄・血筋=門地(もんち)の人たちだけが、ほかの国民には禁止されている皇族との養子縁組による皇籍取得が認められるという、明確な“差別”を持ち込むことになるわけですね。
しかもこれは皇族の意見を無視して政治の世界だけで判断した豊作なわけですね。まだ天皇陛下がそうしてくれと言ったならわかりますが政治家がただ行ってるだけですからね。
多くの国民が納得しないでしょうね。女性天皇は9割が支持していますからね。ちなみに愛子さまがもし即位されても、それで皇位継承の安定化が約束されるわけではない、という意見もあるわけですね。
でもこれは順序が逆でこれまでの男系男子限定という無理なルールを止めて、皇位継承の安定化を可能にするルールを確立すれば、その結果として直系優先の原則により、敬宮殿下が次の天皇として即位されることになる、という順序だということですね。
だから愛子天皇の登場は間違いなく安定的な皇位継承の指標となるということですね。まぁ女性皇族も皇位継承できるようにしたら最大で佳子さまや承子さまや瑶子さまや彬子さまが一代限りの限定的なルールでも皇位継承権を持てる可能性があるわけですね。
そもそも天皇という地位は国民統合の象徴なわけですね。代表するものと代表されるものの関係は同質で、それに対して、象徴するものとされるものの関係は異質だから国民の代表ならば国民ですが、国民統合の象徴ならば“国民ではない”という関係になるわけですね。
ただ象徴する天皇、皇室と象徴される国民とが異質であっても、国民は男女によって構成されていて国民の約半数は女性なわけですね。
それなのにその半数を女性が占める国民の統合の象徴に“男性しかなれない”というルールは、過去の天皇の例をとってもおかしいのではないかということですね。
この男性だけしか天皇になれないというルールは伝統でもないので変えるべきではないかということですね。ここがおかしいから国連からも勧告を受けているわけですね。
それに対して男系男子は国連に対して黙れとしか文句が言えなくて正論で言い返すことができないですからね。過去に女性天皇がいたし女性天皇の娘も天皇になっていますからね。
愛子天皇がXとかでトレンドになったりするのはそういった声が強いわけだし女性天皇の支持も毎回9割近くありますからね。
そして天皇の後継者はやはり天皇との血縁が最も近く、天皇陛下のなさ利用を側でみてきた愛子さましか逆にいないのではないかということですね。
天皇という地位は国民の総意に基づくとあるので毎回アンケートでも女性天皇と女系天応に対する支持は圧倒的ですからね。女性天皇は長年にわたり高い支持を得てきたわけですね。
今の皇室典範が出来たのも1966年で当時のは国民感情による、というのが政府の説明の仕方でしたが昔は女性がお茶くみでとか政治の世界もかなり男尊女卑的な感覚でしたからね。
今は秋篠宮家もジェンダー平等という価値観を訴えていますが男が仕事で女は家事とかそういう価値観も見直されてきていますからね。ジェンダー平等という理念に照らしても天皇陛下のお子さまが「女性だから」というだけの理由で皇位継承資格を否定されるというルールは支持されないだろうということですね。
それに天皇については憲法でも皇位は世襲のものであるとありますがこれは国会の答弁で安倍首相も世襲には女系も含まれると語っているわけですね。
だから皇室典範を修正したらいいだけで憲法までは変えなくていいのですぐに修正が可能なわけですね。門地の差別に関しては憲法を変えないといけないので無理がありますが直系長子に関しては皇室典範を変えればいいだけなわけですね。
国会でも女性天皇について排除すべきではなくてしっかりと専門家を交えて議論してほしいですね。
愛子さま 女性天皇への道
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