麻生太郎氏が執念を見せる皇室典範改正 しかし国会日程は限界との見方も
皇室典範改正をめぐる与野党協議が大詰めを迎えている。
衆参両院では皇族数確保策に関する立法府としての取りまとめが進められているが、当初予定されていた5月中の決着は見送られ、現在は6月前半を目標とする方向になっている。
こうした中、自民党内で大きな影響力を持つ麻生太郎氏は、今国会中の決着に強い意欲を示しているとされる。
しかし日程的な余裕はほとんどなく、「今国会での成立は難しいのではないか」との見方も広がり始めている。
なぜ麻生太郎氏が皇室問題のキーパーソンなのか
現在の皇室典範改正議論で最も重要な政治家として名前が挙がるのが麻生太郎氏だ。
高市早苗首相誕生後、この問題は事実上麻生氏に一任されたとも報じられている。
もともと皇位継承問題については麻生氏が中心的役割を担ってきた経緯があり、昨年も協議の取りまとめ直前に方向性が変更されたことで「ちゃぶ台返し」と批判された経緯がある。
さらに5月21日に開催された「国力研究会」には自民党所属議員の8割超が参加したとされ、その筆頭発起人・最高顧問も麻生氏だった。
85歳となった現在もなお自民党最大級の影響力を保持していることが改めて示された形だ。
「最後の政治課題」として皇室典範改正に挑む麻生氏
麻生氏は85歳という高齢に達している。
次期衆院選への出馬を疑問視する声もあり、現役政治家として残された時間は決して長くない。
そのため皇室典範改正こそが政治家人生最後の大仕事であり、「花道」と考えているのではないかとの見方もある。
特に男系男子による皇位継承維持という立場については長年一貫しており、旧宮家系男子の養子縁組による皇族復帰案を強く支持しているとされる。
麻生氏を突き動かす「2人の故人」とは
一部では、麻生氏の皇室観に大きな影響を与えている人物として、故・寬仁親王殿下(いわゆる「ヒゲの殿下」)と故・安倍晋三元首相の名前が挙げられている。
寬仁親王殿下は生前から女系天皇に慎重な立場を示し、旧宮家の皇籍復帰や男系継承維持を主張していたことで知られる。
また安倍元首相も第一次政権時代に小泉政権下の有識者会議が示した女性・女系天皇容認論を白紙に戻し、男系男子継承を維持する立場を取った。
現在の養子案や旧宮家案についても、安倍政権時代の流れを引き継いでいるとの指摘がある。
しかし世論は女性天皇・女系天皇支持が圧倒的
一方で国民世論は政治側とは大きく異なっている。
近年の各種世論調査では女性天皇容認が圧倒的多数となっており、女系天皇についても支持する声が増加している。
とりわけ天皇皇后両陛下の長女である愛子さまへの国民的人気は高く、「愛子天皇待望論」と呼ばれる現象も広がっている。
そのため旧宮家系男子の養子縁組案については国民の理解が十分得られていないとの指摘も多い。
皇族数確保策として女性皇族が結婚後も皇族身分を維持できる制度には比較的賛成意見が多い一方、養子案については慎重論が根強い状況だ。
伊吹文明氏への相談報道が示す苦しい現状
こうした中、麻生氏が元衆議院議長の伊吹文明氏に意見を求めたことも注目されている。
伊吹氏は男系継承維持の立場として知られるが、過去のインタビューでは女性天皇を議論すれば皇位継承順位が変わる可能性に言及していた。
これは結果的に愛子さまが継承順位上位となる可能性を意味する。
男系維持派の中からも現実的な議論が出始めていることは、現在の議論の難しさを物語っている。
今国会成立は困難か 高市政権にも影響する可能性
当初予定から大幅に遅れている現状を考えると、今国会中に皇室典範改正を成立させるのは容易ではない。
仮に養子案中心の取りまとめを強行した場合でも、その後の国民的議論は避けられないだろう。
また高市政権にとっても皇位継承問題は重要課題だが、このテーマに対する政治的熱量では麻生氏の方が上との見方もある。
今後、国会会期末までにどのような結論が示されるのか注目される。
まとめ|皇室典範改正の行方は「愛子天皇論」を避けて通れない
皇室典範改正をめぐる議論は、単なる皇族数確保策ではなく、日本の皇位継承のあり方そのものを問う段階に入っている。
男系男子による継承維持を重視する麻生太郎氏らの路線と、女性天皇・女系天皇を支持する国民世論とのギャップは依然として大きい。
そして議論が進めば進むほど、愛子さまを中心とした女性天皇論を避けて通ることは難しくなっている。
今国会での決着は実現するのか。
それとも議論は次の国会へ持ち越されるのか。
皇室典範改正は、今後の日本政治を左右する重要テーマとして引き続き大きな注目を集めそうだ。

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