はじめに|「贈り物」は皇室にとってなぜ慎重に扱われるのか
皇室と国民との距離感は、時代とともに変化してきました。その中で常に慎重な判断が求められるのが「物の受け渡し」です。
近年、「雅子さまが市民から受け取ったカレンダー」と「秋篠宮さまの誕生日映像に映ったマーラ」が話題となりましたが、両者は同じ“贈答”でも、扱いと説明が大きく異なる事例です。
本記事では、感情論や憶測ではなく、
公式説明
報道内容
過去の専門家の見解
をもとに、冷静に整理します。
雅子さまのカレンダー受領|2023年那須塩原駅での出来事
2023年8月、天皇ご一家が那須御用邸での静養に向かわれた際、那須塩原駅で市民との交流がありました。その場で雅子さまが一般市民から手作りの写真カレンダーを受け取る場面が、テレビやYouTubeで放映されました。
この行為自体は、
高額ではない
善意によるもの
その場の自然な流れ
という点で、好意的に受け止めた人も多くいました。
元宮内庁職員・山下晋司氏の問題提起
一方で、元宮内庁職員の**山下晋司**氏は、
「公衆の場で皇族が物を受け取ること」そのものに警鐘を鳴らしました。
秋篠宮さま
『マーラは知人から貰った』(宮内庁公式)天皇皇后両陛下と愛子さま那須塩原駅でカレンダー貰う
山下晋司氏
『カレンダーは皇室への献上品と宣伝恐れ』秋篠宮家は個人から農産物毎年献上
秋篠宮さまタバコ騒動
ミストは説明できてもモヤモヤは消せないhttps://t.co/jSD2vsAtnw pic.twitter.com/RNUsSyUj5y— あきらっちスカッと皇室 (@seijisenmon) December 24, 2025
主な論点は以下です。
贈り物の常態化は模倣行為を招く
危険物混入などの安全リスク
「献上実績」を私的宣伝に利用される可能性
そして山下氏は、
皇族が直接受け取らず、側近職員が対応し、必要であれば後日返却する
という運用を明確にすべきだと述べています。
これは個人批判ではなく、制度論・危機管理論としての指摘でした。
秋篠宮さまのマーラ|公式に「知人からの贈り物」と説明
一方、秋篠宮さまの誕生日映像に映った南米原産の動物「マーラ」については、
宮内庁が
「知人から贈られたもの」と公式に説明しています。
この説明は**フジテレビ**の取材に対する回答として報じられました。
重要なのは、
非公式情報ではなく
宮内庁が認めた事実
である点です。
マーラは高額動物?|価格は「不明」と整理する必要性
マーラは日本国内での流通が限られており、価格帯については明確な公的資料はありません。
一般的に「高額になりやすい」という情報はありますが、
具体的な金額
個体の状態
取引形態
はいずれも確認されていません。
したがって、
「数百万円相当」「贈与税が発生する」などの断定は、
現時点では推測の域を出ないことを明確にしておく必要があります。
農産物の献上と一貫性の問題
報道によれば、秋篠宮家は過去に個人から農産物を受け取った事例もあり、
これは**中日新聞**などで紹介されています。
ここで浮かび上がるのが、
**「何がOKで、何が慎重に扱われるべきか」**という基準の分かりにくさです。
雅子さまのカレンダー → 強い注意喚起
秋篠宮さまの動物・農産物 → 公式説明のみ
この差について、明確なルール説明はなされていません。
本当に必要なのは「個人批判」ではなく「基準の可視化」
本件で重要なのは、
誰かを非難することではなく、
皇族が贈り物を受け取る際の統一基準
公衆の場・私的空間の違い
安全管理と透明性
を、宮内庁が分かりやすく示すことです。
山下晋司氏が指摘した「原則として受け取らない姿勢」を採るのであれば、
すべての皇族に一貫して適用される必要があります。
まとめ|問われているのは「説明責任」
雅子さまのカレンダーは善意だが、制度的課題が指摘された
秋篠宮さまのマーラは公式に「贈り物」と説明された
価格や税務については未確認情報が多く、断定は不可
問題の本質は皇室全体の贈答ルールの透明性
国民の信頼を守るためにも、
「受け取った・受け取らない」ではなく、
なぜそう判断したのかを説明する姿勢が、今後ますます重要になるでしょう。

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